会社員や派遣社員を続けながら、今までの経験を活かそうと副業したり起業準備したりする方が増えています。
本記事をご覧になっている方は、今まで会社員として社内で成果を出してきて、もっと自分の理想を実現したいと考えて起業したいと考えていると思います。
また、がんばって成果を出そうとしてきたのに、社内の評価がいまひとつで、もっと自分の経験・スキルを活かせるように起業したいという方も多いでしょう。
どちらにしても、特に社内で活躍してきた方は、起業しても自分の経験を十分活かせる可能性があります。
これまで会社員をしていた方が、今までの経験を活かして起業するメリット・デメリット、成功するためのポイントについてお伝えします。
【この記事のポイント】
- 会社員から起業する際のメリット・デメリットがわかる
- 自分の経験を活かして行動して成功するポイントがわかる
目次
会社員が経験・スキルを活かして起業する3つのメリット
まず、会社員として活躍してきた方が、これまでの経験・スキルを活かして起業するメリットをお伝えします。
いきなり会社を辞めるのではなく、週末起業など副業から始めればリスクはないので、起業したいなら小規模なことから始めてみることがおすすめです。
自分の裁量で好きな仕事ができる
起業の大きなメリットの1つが、自分の裁量で自由に好きな仕事ができる点です。
※三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱「中小企業・小規模事業者における経営者の参入に関する調査」をもとに作成
上記のデータは、フリーランス起業家の起業した目的を調査した結果です。
1位:自分の裁量で自由に仕事をするため(57.4%)
2位:自分の好きな仕事をするため(50.7%)
3位:仕事の経験や技術、知識、資格、スキル等を生かすため・試すため(40.0%)
このデータからも、会社員から起業した方の多くは、「自分の経験を活かしながら自分の裁量で好きな仕事をしたい」と考えていることがわかります。
会社の方針がなく、自分で決めないといけないことは、ある意味デメリットでもありますが、もっと自分の理想を追求したい方には最高の環境と考えられます。
起業する際のアイデアが浮かびやすい
会社員として十分経験を積んだ方であれば、未経験の分野で起業するよりも様々なアイデアが浮かんできます。
「このサービスをもっと他の人にも活かせないか?」
「今までの経験を組み合わせて別の商品ができないか?」
「この分野はまだブルーオーシャン(競合がいない成長市場)ではないか?」
このようなアイデアが次々と浮かんできて、試してみたいと思う方も多いのではないでしょうか?
自分のアイデアを会社内で試せるならいいですが、会社の方針によっては企画が通らないこともあります。
先ほどお伝えしたように、まだ副業の状態であればリスクのない状態で試してみて、基盤を整えて独立起業すればいいのです。
浮かんできたアイデアを具体的に落とし込みやすいのは、会社員として十分経験を積んできた方の強みと言えます。
会社員の仕事が活かせる
会社員を続けながらこっそりと起業準備をしていると、会社員と副業・起業準備の両立で悩むことも多いでしょう。
そのため、「会社で働いている時間がもったいない」「どんどん会社の仕事がつまらなくなってきた」となりがちです。
しかし、会社での経験を活かすのであれば、会社員の仕事はそのまま今後の起業に役立てることができます。
また、起業準備中に、会社員時代に作ったネットワークを活かすこともできます。
会社の業種や、ご自身の起業後のビジネスモデルによるところもありますが、特に副業中の方は、本業の強みも有効に活かせると強いです。
逆に、会社の仕事が、起業後に活かせないと感じるのであれば、独立起業前に転職して、起業後に活かせる仕事に就く選択肢もいいでしょう。
会社員が経験・スキルを活かして起業する3つのデメリット
これまでお伝えしたことから考えても、今までの会社の仕事とはまったく違う未経験の分野で起業するより、経験を活かせることで起業した方が有利に見えます。
たしかに、これは間違いないのですが、経験を十分活かそうとすることが、かえってデメリットになることもあります。
また、会社員として自分の本領を発揮することと、起業して自分の好きな仕事をすることは根本的に違います。
視野が狭くなる可能性がある
自分の経験を十分活かし、高い専門性で起業することは大きな強みなのですが、一方で視野が狭くなることがあります。
自分がお客様に提供できる高いノウハウやスキルの視点から起業アイデアの発想を出そうとすると、それ以外の視点が見えません。
起業したら自分の裁量で自由に行動できるのに、自分の持っている能力だけで判断して可能性を狭めてしまうのはもったいないことです。
また、いくら自分が高い専門性を持っていても、すでにレッドオーシャン(競合が多く飽和した市場)になっていることもあれば、逆にまったくニーズのない市場の場合もあります。
特に最近は起業の参入障壁が低いこともあり、「〇〇専門」という肩書きでも、すでにレッドオーシャンになっていることが多いです。
自分で道筋を決めていかないといけない
これは起業全般で言えることですが、「自分の裁量で決められる」とは、デメリットに言い換えると「自分で決めないといけない」ということです。
なかには、会社が方針やルールを示してくれているので、自分の本領が発揮できるという方も一定数います。
自分の向き不向きを認識しないまま会社を辞めて独立起業して、後悔してしまうケースもよく起こり得ます。
自分は会社員がいいのか、起業家がいいのかは実際に行動してみないとわからないところがあります。
まずは副業から始めて自分で収入を得る経験をしながら、自分の向き不向きを判断するのもいいでしょう。
また、会社員がいいか、起業したらいいかについては以下の記事も参考にしてください。
【関連記事】【起業前に確認したい】起業した方がいい人と会社員を続けた方がいい人の特徴
自分でやることや出費が増える
会社員の場合、組織のプロジェクトの一部だけを担当することが多い一方で、起業したら自分でやらないといけないことが増えます。
会社員としてあるプロジェクトを任せてもらっている場合でも、他にも営業している方、事務的なサポートをしている方など組織として成り立っていることが多いです。
また、会社員の場合は、会社のブランド力でプロジェクトが成り立っているようなケースも多いです。
しかし、起業したら営業・セールスから経理処理など事務的作業まで自分でやり、ブランディングもしていかなくてはいけません。
もちろん、セールスや事務作業を業務委託したり、雇用したりすれば負担は減ります。
しかし、今度は会社がお金を出すのではなく、自分がお金を出すことになります。
出費の話をすると、何か研修やセミナーに参加する際は、会社の経費として出してもらえましたが、起業したら全部自分で出費しないといけません。
コーチ・コンサル・カウンセラーなど賃料など固定費や仕入れがないビジネスでも、意外とお金がかかることもあります。
会社を辞めて独立起業した際に特に強く実感するところですが、起業準備中からこの点も考慮しておく必要はあります。
会社員が自分の経験を活かして起業で成功するための5つのポイント
会社員が起業する際のメリット・デメリットを踏まえて、起業して成功するためのポイントについてお伝えします。
同じ経験を活かすことでも、会社員としての働き方と、起業家としての働き方は大きく違います。それを認識したうえで起業家として前に進んでいく必要があります。
営業・販売力を強化する
言うまでもなく、起業したら自分の力で商品・サービスを販売していく必要があります。
2022年の中小企業白書によれば、今後、経営基盤の強化に向けて注力する分野としてもっとも多いのが、「営業・販売力の強化」です。
※中小企業庁「2022年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要」より抜粋
どんなに自分の経験を活かせる商品を持って起業したとしても、多くの方はWeb集客を含めて集客や販売の経験が初めてです。
例え会社員時代に営業経験があったとしても、会社の営業力やブランド力を活用していたケースが多く、起業後の営業とはかなり話が違ってきます。
副業や起業準備中の方は、ご自身の商品を構築しながら、ブログやSNSなど含めて様々試して、実践していくようにしましょう。
会社の仕事以外のネットワークも築いていく
起業する場合には、会社の仕事以外の人脈・ネットワークを作ること、つまり起業仲間を作ることも重要です。
会社員として十分活躍してきた方であれば、会社員時代のネットワークが活用できる場合も少なくありません。
しかし、これだけに頼り続けるのはもちろんリスクですし、起業後に構築した商品によってはあまり活かせない場合もあります。
また、起業したいと思えば、Web集客や販売など、会社員とは違うスキルが求められるところがあり、なかには独学では難しいこともあります。
この際、起業スキルを学んで実践することはもちろん重要ですが、同時に起業仲間といい関係を築くことは意外と大きなプラスになります。
ビジネスパートナーとして長く関わることもあれば、そうでなくても様々な情報を共有し、切磋琢磨できるためです。
また、様々な起業仲間と触れることで、狭くなりがちな視野が大きくなり、様々なアイデアが浮かんでくる場合もあります。
詳細は、次の記事をご覧ください。
【関連記事】仲のいい起業仲間と一緒に仕事をするメリット・デメリットと成功するための重要ポイント
起業に必要なことを整理する
会社員の仕事と、起業してビジネスをすることは大きく違うので、一から起業する際は準備することがたくさんあります。
- 商品を何人かに試してもらって、お客様の層やニーズを把握する
- 自分の競合がどれくらいいるのか確認する
- 自分のスキルを活かしてニーズのある商品を構築していく
- ブログやSNSで発信してみる
- ホームページなど集客の導線を作る
- ビジネスに必要なものをタイミングに応じて導入する(店舗、Web周りなど)
- 補助金や融資の必要性がないか考える etc……
こっそりと副業や起業準備している方は、すでに上記の実践している方も多いでしょう。
ただ、職種やお客様の属性、ビジネスがどれだけ軌道に乗っているかによって、準備することは大きく違ってきます。
そのため、自分にとって起業に必要な準備作業を整理しないと、無駄が発生したり、逆に準備が不十分になったりする可能性があります。
完璧に準備するのではなく、とりあえず行動してみてからPDCAで改善することも重要ですが、明確な事業方針や目標を立てることも必要です。
自分にとって何が必要か明確になることで、方向性がブレなくなりますし、必要な情報を見逃さなくなるので、成長のスピードが早くなります。
不安とうまく付き合って解消する方法を身に付ける
今では会社員でも安泰と言える時代ではなくなりましたが、起業すると収入が変動しやすく、どうしても不安になりがちです。
起業直後は特に不安は大きくなると考えがちですが、軌道に乗ってから不安がなくなるかと言えば、そんなこともありません。
集客や売上の悩みだけでなく、軌道に乗ればプライベートとの両立、ビジネスパートナーとの関係性、今後の方向性など様々な悩みが出てきます。
起業直後には起業直後の不安や悩みが、法人化など軌道に乗れば、軌道に乗った人の不安や悩みがあります。
また、よく「経営者は孤独だ」と言われますが、実際に不安になっても話し相手が常にそばにいるわけではありません。
決して不安を持つことは悪いことではないのですが、不安とどう付き合い、解消していくかを身に付ける必要があります。
会社員でも、現実と理想のギャップや人間関係など不安や悩みを抱えることはありますが、起業したら不安や悩みの質が変わります。
誰でも起業する際は、不安や悩みを持つものなので、詳しく別記事でお伝えしたいと思います。
家族の理解を得る
ご家族のいる方は、会社員から起業しようとする際、いかに理解してもらい、協力を得ることも案外重要です。
会社員を辞めて本格的に独立起業するときだけでなく、副業中でも家族の反対がある場合があります。本業に加えて起業準備するので、家族との時間が少なくなるためです。
しかし、家族に理解を得る方法は、何通りもあります。
- 会社を辞める前に成果を出す
- 成果を出すまでの期限を決める
- 限られた時間内で家族との時間を大切にする
- 家事を分担する
- なぜ起業したいのか時間をかけて話し合う
場合によっては反対を押し切って起業するという手もありますが、家族から理解を得た方が、協力もしてもらいやすくなります。
例えば家事に協力してもらえる、お客様との連絡のやり取りや事務作業などビジネスの一部を手伝ってもらえるといったものです。
起業に家族の反対はつきもので、時間はかかるかもしれませんが、起業準備しながら家族の理解を得るようにしましょう。
【まとめ】豊富な経験を活かして自分の理想を実現する
以上、会社員が今までの経験を活かして起業するメリット・デメリットと成功するためのポイントについて解説しました。
会社で活躍しながら十分な経験を活かして起業したいとはいえ、会社員と起業では働き方が大きく変わります。
起業することにはメリットもありながら、デメリットや注意点もあります。とはいえ、自分の高い専門性や経験を活かして、より多くの人の役に立ちたいという想いで起業することは素晴らしいことです。
自分の経験を活かせる商品を作りながら、Web集客など起業に必要なスキルも同時に身に付け、自分が理想とする事業を立ち上げましょう。
ぜひ、本記事を参考にして、自分の経験を活かして起業するヒントになれば幸いです。
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