エステやセラピストなど、美容系の職種で開業したいという女性は、昔から年齢問わず多いです。

大手化粧品会社が公開している女性の仕事や学びに関するインターネット調査によると、自分磨きができそうと思う学び事・習い事の1位は美容系というデータがあります。

また同調査では20~30代だけでなく、50~60代のシニア世代の美容系の関心も強いことがわかっています。

※2018年9月18日ナリス化粧品ニュースリリースより

私自身、20代の頃、まだアロマセラピーといった言葉自体が浸透していない時期に、アロマセラピーやリフレクソロジーといったセラピー、カウンセリングをかけ持ちで学んでいた時期があります。

きっかけは、当時は会社員として、アロマセラピーやリフレクソロジーの教育に関わる仕事をしており、「プロとして知識を深めたい!」という想いがあったからです。

人のお役にたてるし、自分のためにもなる。そして将来、自宅で開業できるスキルにもなる……といった考えもありました。

また、セラピスト・エステティシャンとして働かせていただく機会もあったため、これまでの経験と知識を活かして記事を書いてみることにしました。

そこで、今回は美容系開業の種類やエステとセラピストの違い、そして成功ポイントや注意点についてお伝えします。

私が主宰する二人三脚web構築スクールには、エステティシャンの方やセラピストの方も、多く在籍しており、結果を出されております。

ぜひ、本記事をお役立てください。

 

エステティシャンとセラピストの違い

エステティシャンとセラピストの違い

美容系のなかで、よく思い浮かぶ職業の1つがエステティシャンやセラピストです。

エステティシャンとセラピストについては、なんとなく違うイメージはあるものの、美しさや癒しを追求する点で似ているところがあります。

エステティシャンとセラピストについては、特に明確に定義されているわけではありませんが、一般的に次のような違いがあります。

エステティシャンの特徴

エステティシャンは、美肌、エイジングケア、バストアップ、ダイエットなど外見の美しさに特化して施術を行います。

手技はもちろんのこと、専用の美容機器や化粧品を導入することもあります。

セラピストに比べると、心身の調子を整えるよりは「きれいになりたい」「痩せたい」という要望に応えることが多くなります。

エステティシャンの仕事内容の具体例を挙げると次のようなものです。

  • フェイシャルエステ
  • ボディトリートメント
  • 痩身エステ
  • 脱毛エステ
  • ブライダルエステ

セラピストの特徴

外見の美しさにアプローチするエステティシャンに対し、セラピストはどちらかというと内面のケアを中心とした施術を行います。

自律神経のバランスを整えたり、リラクゼーション的な役割を果たしたり、美しさだけでなく心身の調子を取り戻す施術を行います。

アロマオイルを用いたり、心理療法を加えたり、内装も癒されるように工夫されていることが多いです。

心身の調子を整えるという意味では、セラピストはエステティシャンだけでなく、整体師とも共通点が多いです。

整体師は、どちらかというと骨格や関節の矯正をして、体の歪みやズレを整えて不調を改善します。体をほぐすような、癒しやリラクゼーション的な要素はあまり含まれません。

一方でセラピストは、体をほぐしたりツボを押したりして心身をリラックスさせる施術を中心に行います。

セラピストの仕事内容の具体例としては次の通りですが、身体だけでなく、心の悩みを中心に扱うセラピストも多く、非常に意味が広いです。

  • アロマトリートメント
  • 心理療法(カラーセラピーなど)
  • リフレクソロジー
  • ヘッドマッサージ

エステティシャンとセラピストは共通点も多い

エステとセラピストの共通点

簡単に言うと、エステティシャンが外見の美しさを追求して施術することに対し、セラピストは内面のケアや癒しを追求して施術します。

しかし、痩せたい、きれいになりたいという外見の美しさにアプローチしたとしても、結果的に心身のバランスも改善できることがあります。

逆に心身の不調を改善したり、リラックスしたりすることを主目的としても、結果的にバストアップやダイエットに繋がることがあります。

そのため、エステティシャンとセラピストは共通する部分が多く、似たような意味合いで使われることもありますが、間違いではありません。

実際にアロマセラピストの民間資格を持ったエステティシャンや、エステティシャンの民間資格を持ったセラピストもいます。

エステティシャンやセラピストの資格

エステティシャンもセラピストも国家資格は不要で、資格を持たなくても開業することが可能ですが、民間資格もいくつかあります。

資格を持っていても必ずしも集客に有利に働くわけではありませんが、手にしたい施術スキルを身に付ける過程で資格取得するのもいいでしょう。

資格取得にかかる費用は、数万~40万円程度と幅広く、履修期間はプログラムによって違いはありますが、多くは3ヶ月~1年程度です。

以下に有名な民間資格について紹介しますが、他にも多くの民間資格があるので、ご自身の身に付けたいスキルに応じて選びましょう。

【エステティシャンの有名な民間資格】

  • AJESTHE(日本エステティック協会)認定エステティシャン
  • AEA(日本エステティック業協会)認定エステティシャン
  • CIDESCO-NIPPONビューティー・セラピー・ディプロマ

【セラピストの有名な民間資格】

  • AEAJ(日本有馬環境協会)認定アロマセラピスト
  • Nard(ナードアロマテラピー協会)認定アロマインストラクター
  • JAA(日本アロマコーディネーター協会)各種認定ライセンス
  • JREC(日本リフレクソロジスト認定機構)認定リフレクソロジスト

その他、心理療法的なアプローチをするためにカウンセリングの資格を取得する方も多くいらっしゃいます。

表面的に資格を何個も取得するのではなく、自分がどんな施術をして、どんなお客様と関わりたいかを考えて資格を選ぶようにしましょう。

エステティシャンやセラピスト以外の美容系の開業

美容系開業

美容系の仕事は、エステティシャンやセラピストに限らず、数多く存在します。

美容系で開業する方で比較的多い職種について簡単にお伝えしますが、いずれも経験やスキルを求められる職種です。

なお、美容系に関わらず、起業の職種全般については、以下の記事に詳しくお伝えしていますので、こちらも併せてご覧ください。

【関連記事】今後もニーズがあるおすすめの起業の職種17選と注意点や成功ポイントを徹底解説!

ネイリスト

ネイリストは必要なスペースが少ないため、自宅やマンションの一室で開業でき、開業資金も自宅サロンなら20~30万円程度と少なめです。

そのため昔からリスクの低い起業として知られていますが、都市部をはじめ競合が非常に多い職種でもあります。

民間資格は「ネイリスト技能検定」「ジェルネイル技能検定」などがありますが、実務経験がないとネイリストとしての就職が難しいです。

そのため、別の職業で就職し、副業でネイリストとして開業準備される方が多い印象があります。

20代後半を中心に平均年齢の若い職種ではありますが、最近は30~40代でもネイルに興味を持ち、ネイリストになる人も徐々に増えています。

アイリスト

まつエクやまつ毛パーマなどを行うアイリストも必要なスペースが少なく、開業資金も少なめなので、比較的低リスクの起業の1つです。

大きく違う点は、国家資格である美容師免許が必要な点です。そのため、美容学校を卒業し、国家試験に合格しなければいけません。

また、法律上は美容所にあたるため、美容室同様に都道府県知事に開設届を提出する必要があります。

アイリストも平均年齢の若い職種ですが、徐々に30~40代のアイリストも増えてきています。

メイクアップアーティスト

雑誌撮影や結婚式の場など、華やかな活躍のイメージがあるメイクアップアーティストですが、豊富な経験とスキルが求められる職種です。

必要な資格は特にありませんが、化粧品メーカーや大手のエステサロン等でメイクアップを担当して、技術を認められて独立する人がほとんどです。

独立する時点でコネクションができていることがほとんどで、起業プロセスは他の職種とは毛色が少し違います。

エステティシャンやセラピストで成功するためのポイントや注意点

エステやセラピストの成功ポイント

このように、美容系起業は様々な種類がありますが、40代以上の起業で比較的多いのは、最初にお伝えしたエステティシャンやセラピストです。

そこで、エステティシャンやセラピストが起業して成功するためのポイントや注意点についてお伝えします。

目的や状況に応じて開業物件・場所を決める

エステやセラピストの開業物件

いくらオンライン化が進んでいるとはいえ、直接お客様の体に触れて施術をするエステやセラピストは、オンラインというわけにはいきません。

そのため、開業する場所を考える必要がありますが、大きく分けると選択肢としては自宅サロン、店舗サロン、レンタルサロンの3つがあります。

自分の開業目的、コンセプト、状況に応じて開業場所を決めるようにしましょう。以下、自宅サロン、店舗サロン、レンタルサロンのメリット・デメリットを簡単にお伝えします。

自宅サロンのメリット・デメリット

メリットデメリット
  • 賃料など固定費を抑えることができる
  • 初期費用が安い
  • 開業準備に手間と時間がかからない
  • 通勤する必要がなく交通費がかからない
  • 移動時間を短縮できる
  • 子連れのお母さんが来店しやすい
  • アットホームな雰囲気を演出しやすい
  • 立地を選べない
  • ブランディングしづらい
  • 高級感のある演出ができない
  • 非日常感や特別感の演出ができない
  • 単価を上げにくい
  • チラシやHPで不特定多数の人に自宅の住所が知られてしまう
  • 仕事とプライベートのメリハリがなくなる

自宅サロンで開業する際は、まずは自宅で開業できるかどうかを確認しなければなりません。

  • 賃貸の場合、事業用に利用できるかどうか?
  • お客様の駐車スペースを用意できるか? なければ近隣で使える駐車場はあるか?

この2点を満たさなければ、自宅サロンで開業することは不可能です。

事業用で使用可能な賃貸物件に引っ越すか、テナント開業、レンタルサロンの利用を検討しなければいけません。

賃貸物件の場合、事業用に使えないことの方が多いため、しっかり確認しておきましょう。

店舗サロンのメリット・デメリット

メリットデメリット
  • ブランディングしやすい
  • 高級感、特別感などターゲットに合わせた演出が可能
  • 単価を上げやすい
  • チラシやHPで自宅の住所を知られない
  • 好きな立地で開業が可能
  • 仕事とプライベートを分けることができる
  • プライベートを侵害されない
  • 賃料、水道光熱費などの固定費がかかる
  • 好立地条件ほど家賃が高い
  • 敷金、礼金が発生し、内装も変えるなら初期費用が高い
  • 物件探しをしないといけない
  • 交通費が発生する
  • 移動時間が発生する
  • 家庭との両立が自宅サロンよりは難しい

ここ数年、自宅サロンの開業が人気ですし、商品コンセプトにもよりますが、理想のサロンを持ちたいなら店舗を借りることがおすすめです。

その代わり自宅サロンよりは初期費用、固定費ともにかかりますので、利益と支出のバランスを慎重に考えるようにしてください。

また、開業の初期費用を抑えたいような場合は、後述する補助金の活用も選択肢の1つとして考えるようにしましょう。

レンタルサロンのメリット・デメリット

メリットデメリット
  • 敷金、礼金が不要
  • 水道光熱費の負担がない
  • 内装や備品をそろえる必要がない
  • 初期費用や固定費を抑えて開業が可能
  • 副業中など営業日が限られている場合は無駄がない
  • 出張して遠方のお客様にも施術ができる

 

  • 長期利用の場合は賃貸物件より割高
  • 備品の使用料が高額になることもある
  • 持ち込める道具、機器が制限される
  • 予約しても借りられないことがある
  • 急な予約に対応しづらい
  • ブランディングしづらい
  • 内装や備品が決まっており、自分に合った演出ができない

レンタルサロン、シェアサロンは副業中などで営業日が限られている方、遠方にお客様がいる方におすすめの方法です。

開業準備中に小規模で施術を行うような時期には、レンタルサロンを借りてモニターを獲得していくといいでしょう。

開業の初期費用や固定費を意識する

サロン開業の初期費用や固定費

エステやセラピストは、比較的開業の初期費用や固定費を抑えやすい職種です。

とはいえ、開業に必要なお金や固定費を算出して、無駄な支出を抑えるようにしないと、特にテナント開業の場合は経営が苦しくなります。

集客や売上も大事ですが、支出も意識するようにしてください。

敷金、礼金、内装等の物件の初期費用や賃料はもちろん、導入する美容機器やその他消耗品費、広告費も考えないといけません。

美容機器については、大型のマシンになると百万単位の費用がかかることがあるので、リスクを抑えたい場合はレンタルすることも考えましょう。

広告費に関しては、エステやセラピストでの場合、口コミサイトに掲載することがありますが、最低でも25,000円ほどの掲載料がかかります。

掲載順位が高くなるプランになると数十万円となることもあり、固定費としての負担が大きくなります。

そのため、広告費をかけずにホームページやブログ、インスタなどのSNSなどで地道に発信していくことも有効です。

補助金の活用を検討する

エステサロン開業の補助金活用

資金調達に関する悩みを解決するのであれば、返済の必要がない補助金や助成金の活用を検討してみましょう。

助成金は、従業員の雇用やスタッフ研修や教育などの雇用に関する制度なので、開業時点で当てはまる方は少ないかと思います。

多くの方に当てはまるのが、事業を拡大させるために活用できる補助金です。

代表的なものに小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金があります。

新規集客のためにチラシやホームページ、ブログなどを制作するのであれば、小規模事業者持続化補助金を活用するのがおすすめです。

補助金は返済不要なので、活用しない手はありません。ただし審査があり、必ずしも採択されるとは限らず、補助金を受給できない可能性があります。

施術メニューのコンセプトを明確にする

治療院や歯科医院がコンビニよりも数が多いというのは有名ですが、エステやセラピストも、非常に競合が多い職種です。

オンライン化できない職種であるため、同じ地域内の競合を考えればいいですが、それでも似たようなエステティシャンやセラピストはたくさんいます。

大手のエステサロンの店舗も多いです。

そのため、どの職種にも言えることですが、施術メニューのコンセプト、つまり商品構築をしていく必要があります。

これは競合との差別化だけの話ではありません。

コンセプトを明確にすれば、やらないといけないことと、やらなくていいことがはっきりします。

そのため、施術スキルについても、自分にとって必要な施術だけ覚えればよくなり、大量に資格やスキルを得る必要がなくなります。

お金と時間を必要なことだけに集中するためにも、商品構築は早めに行いましょう。

【関連記事】ブログ集客で成功するなら最初の記事が大事!でも何を書けば良い?

モニターを募り感想とビフォーアフターの写真を集める

どんなビジネスでもお客様が来なければ何も始まりません。

自分が開業する地域でお客様のニーズを把握するため、特に開業準備中は無料や割引価格でモニターを募ることは大切です。

ただし、感想を書いてもらったり、ビフォーアフター写真を撮影させてもらったりすることを条件とします。

そして、ブログやSNS、口コミサイトに掲載させてもらうようにお願いします。

そうすることで、あなたの施術の需要をつかめるようになるだけでなく、集客につなげることができるようになります。

また、モニターからは嬉しい声だけでなく、「もっとこうしてほしい」「こんな施術も受けたい」と施術や接客の観点で意見をもらうことがあります。

意見や要望については、すべて受け入れる必要はないですが、より価値の高いサービスを提供できるものであれば、取り入れてみましょう。

モニターを募る段階では、まだテナント物件を借りる必要はなく、レンタルサロンや自宅の空きスペースを使うことで問題ありません。

【まとめ】施術のコンセプトを明確にして自分に合った場所で開業する

以上、エステやセラピストを中心に、美容系職種の種類や、成功するためのポイントや注意点をお伝えしました。

エステティシャンやセラピストで開業したいという方は非常に多く、大手企業も進出しているので競合が多い職種です。

それだけに、開業初期であれば、モニターを募ってニーズを把握し、コンセプトを明確にして、自分に合った開業場所を決めるのがスムーズです。

コンセプトを明確にすることで、身に付けるべき資格や施術スキルも絞られるので、やるべきことに集中できます。

ぜひ、この記事を参考にして、美容系の開業が一歩前に進むきっかけになれば幸いです。

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