起業というと、誰かと一緒に事業を立ち上げるだけでなく、1人で事業を立ち上げる人も多いでしょう。
もちろん、起業は1人でもできますし、1人起業でも事業を軌道に乗せることは可能です。
しかし、1人起業で成功してきた人の多くは、誰かを雇用するわけでなくても、人の力を借りてきた人が多いのも事実です。
場合によっては、仲のいい起業仲間同士で組んで、一緒に仕事をするようなこともあるでしょう。
しかし、起業仲間と一緒に仕事をしても成功するとは限らず、逆にお互い足を引っ張り合ってしまうこともあります。
そこで、今回は仲のいい起業仲間同士で一緒に仕事をするメリット・デメリットと成功するための重要ポイントについてお伝えします。
【この記事のポイント】
- 起業仲間と一緒に仕事をするメリット・デメリットがわかる
- 一緒に成功できる起業仲間を作るうえで重要なポイントがわかる
起業仲間の定義
「起業したら、一緒に切磋琢磨できる仲間を作ろう」とは、起業すればよく言われることです。
必ずしも仲間が多ければいいわけではありませんが、1人だけで事業を進めるよりは、身近に仲間がいた方が頼もしいでしょう。
ただ、「起業仲間」については、次のように大きく分けると3つのパターンがあります。
- ビジネスパートナー
- お互い励まし合ったり情報共有したりする仲間
- 仲間でありビジネスパートナーでもある関係
ビジネスパートナー
起業仲間というと、ビジネスパートナーと同じ意味で捉える人は多いかもしれません。
ビジネスパートナーというと、同じ会社のなかで共同の事業を運営する相手を思い浮かべる方も多いと思いますが、それだけではありません。
お互い個人事業主や合同会社の1人社長であっても、あるビジネスのときだけ一緒に関わるような場合もビジネスパートナーと言えます。
例えばあるクライアントのホームページを作ろうとする場合の、コピーライターとデザイナーの関係が、まさにそれです。
彼らは同じ会社組織のなかにいる関係とは限りません。
もう1つ例えると、お互いターゲットは一緒だけど、提供するサービスが違う起業家同士で、コラボでセミナーを開催することもあります。
前半は起業家として成功したAさんが収入の増やし方のセミナーを行い、後半はファイナンシャルプランナーのBさんが貯金や投資のセミナーを行うようなタイプです。
このように普段はお互い別々の仕事をしているが、ある仕事だけ一緒になるという間柄も、一種のビジネスパートナーと言えます。
仕事が終わったらチームが解散という緩い間柄ではありますが、そのときの縁がきっかけで、別の仕事でも一緒になることは珍しくありません。
このように、自分に足りない技術やスキルをお互い補完し合える間柄にある関係を、広い意味でビジネスパートナーと言っていいでしょう。
お互い励まし合ったり情報共有したりする仲間
起業仲間というと、ビジネスパートナーとして捉える方が多いと思いますが、ビジネス上の繋がりのない起業仲間も存在します。
起業後、起業塾やセミナーなどに通うようになると、様々な起業家と出会う機会が増えます。
同じく起業を志した者同士ですから、同じような価値観を持つ人も多く、比較的仲良くなるまでの時間もかかりません。
ビジネス上の繋がりはなくても、モチベーションの維持には仲間の存在は必要になることもありますし、日頃の雑談の中で、貴重な情報を共有できることも多いです。
仲間でありビジネスパートナーでもある関係
起業仲間として信頼関係が構築されていくと、一緒に仕事をするビジネスパートナーに発展することがあります。
お互いのことをよく知った起業仲間同士が、お互いに足りないものを補完して一緒に仕事をするのは安心感がありますし、心強いものです。
そのため、起業すると「この人は大切な仲間であると同時に、ビジネスパートナーでもある」という間柄の人も自然と出てきます。
本記事では、このような起業仲間と一緒に仕事をする上でのメリット・デメリットや成功するポイントを解説します。
仲のいい起業仲間と一緒に仕事をするメリット・デメリット
仲のいい起業仲間と意気投合して、ビジネスパートナーとして一緒に仕事するケースはとても多いです。
一見すると仲のいい起業仲間と一緒にビジネスをするのは、モチベーションは上がりますし素晴らしいことのように思えます。
ただ、仲のいい起業仲間と一緒に仕事をするのはメリットばかりではなく、デメリットもあります。
起業仲間と一緒に仕事をするメリット
まずは、起業仲間と一緒に仕事をするメリットについてお伝えします。
たしかに仲のいい起業仲間が一緒に仕事をするのは、初めて会った人同士が一緒に仕事するケースにはないメリットがあります。
密なコミュニケーションを取りやすい
これまで信頼関係を築いてきた仲間と一緒に仕事をするメリットとしてまず考えられるのが、気心知れているので相談しやすい点です。
初対面の人と一緒に仕事をする場合、「邪魔にならないかな」「こんなこと聞いて大丈夫かな」とお互い遠慮が発生するようなことも想像できますよね。
一方で仲のいい起業仲間であれば、比較的気軽に連絡や相談がしやすく、密なコミュニケーションを取りやすくなります。
特に初対面の方とコミュニケーションをとるのが苦手な人には、大きなメリットと言えます。
しかし、仲間として仲良くすることと、一緒に仕事をすることは別です。
いくら仲間だからといって、相手に対する配慮がなく、大きく負担を感じさせるようなことをすると、関係性を悪化させることになるので注意しましょう。
お互いよく知っているので役割分担しやすい
ビジネスパートナーとして一緒に仕事をする一番のメリットは、お互いにできないことを補完する形で役割分担できることです。
仲のいい起業仲間であれば、相手がどんなことが得意で、どんなことが苦手なのかをよく把握しています。
また、お互いのスキルだけでなく、性格や価値観などもよく把握しているので、
「これは自分が苦手だからこの人に助けてもらおう」
「その代わり苦手なところは私がサポートしよう」
というように、役割分担がしやすくなります。
しかし、ここでも注意点があり、あまり気心が知れているからといって、何でもかんでも仕事をお願いしてしまうと、相手がパンクすることになります。
逆に仲間からの依頼だからといって、なんでも仕事を引き受けてしまうと、あなたがパンクしてしまうことになります。
結果としてどちらかの負担が大きくなり、不満が募って関係性が悪化することがあるので注意しましょう。
起業仲間と一緒に仕事をするデメリット
一方、仲のいい起業仲間と一緒に仕事をすることはデメリットもあります。
そのため、場合によっては初対面同士の方が、ビジネスパートナーとしてうまくいくようなことも多々あります。
言いたいことが言えない
気心の知れた仲間同士で一緒に仕事をすると、うまくいっているときはお互い密なコミュニケーションを取りやすい一方で、逆に言いたいことが言えないことがあります。
具体的には、相手の仕事に不満や要望が生まれたようなときです。
「もっとこうしてくれないかな」
と思っても、お互い仲がいいと、かえって言い出すことがなかなかできません。
「仲のいい友達や家族ほど言いにくいことがある」という経験をした方もいると思いますが、それと似ています。
また、方向性の違いなどから、ビジネスパートナーとしての関係を解消したいときでも、普段から仲のいい起業仲間であれば、言いづらくなります。
相手との関係性に気を遣い、言いたいことも言えずにビジネスの進展がないようでは、かえってビジネスパートナーの存在がマイナスになりかねません。
人間関係が悪くなる可能性がある
仕事以外は関係のないビジネスパートナーであれば、今後の仕事を断りたいときは、後腐れなく今後の仕事を断ることができます。
しかし、仲のいい起業仲間の場合は、仕事上の関係性が悪くなり、ビジネスパートナーとしての関係を解消すると、プライベートでの関係も悪くなりがちです。
もともと仲がよかったはずの起業仲間だったのに、ビジネス上のトラブルがきっかけで絶縁状態になることもあります。
1人と絶縁関係になるだけならまだしも、絶縁になった人の仲間とも会いにくくなってしまうこともあり得ます。
また、これまで信頼関係を築いてきた仲だけにショックも大きく、事業に対するモチベーションを下げてしまいかねません。
起業仲間の選び方と一緒に仕事して成功するための5つのポイント
このようにして考えると、起業仲間とビジネスパートナーとしても関わるか、仲間と仕事の人間関係を分けるかは一長一短あることがわかります。
実際に仲のいい起業家同士で仕事を始めて、成功したケースもあれば、失敗したケースもあります。
ただ、仲のいい仲間が一緒に仕事をすることは決して悪いことではありません。
マイクロソフトのビル・ゲイツや、Googleのラリー・ペイジが旧友をビジネスパートナーにして成功した話は有名です。
起業仲間と一緒に仕事をして成功するならば、次のことを心がけるようにしてください。
想いやビジョンを共有できる起業仲間と一緒に仕事をする
よく言われることですが、一緒に仕事をするなら、想いやビジョンを共有し、同じ方向に進んでいける人と組んだ方が成功するのは間違いありません。
逆に想いやビジョンを共有できなければ、失敗する確率は高くなります。極端に言えば、一生の仲間と思えるような人であっても、ビジネスとなると話は違ってきます。
ただ単に「仲がいいから」「組んだらおもしろそうだから」ということで、一緒に事業を始めてもなかなかうまくいきません。
安易に始めてしまうと、ちょっとした意見の違いで対立してしまい、事業を前に進めることができない場合も出てきてしまいます。
意思決定までの時間がかかってしまうことになり、起業仲間の存在がかえってデメリットになってしまうことになります。
些細なことを含めれば、ビジネスパートナーとの意見の違いは必ず出てきます。
逆に事業の方向性やビジョンを共有できるのであれば、多少意見の違いが起きても、さほど気になることはありません。
むしろ、「いろんなアイデアが出てくるね」「もっとこうしてみたらどう?」とポジティブに話が進み、最善の方法を考えることができます。
想いやビジョンについては、単に仲間や友達として付き合っているだけでは気付かないこともあります。
そのため、一緒に仕事を始める前に、お互いの事業の方向性を確認するようにしてください。
起業仲間とビジネスパートナーは違うことを認識する
先にお伝えしたように、起業仲間にはいくつかパターンがあり、起業仲間=ビジネスパートナーとは限りません。
また、気心の知れた起業仲間だからといって、ビジネスパートナーとしてうまくいくとも限りません。
仲間を大切にするのは素晴らしいことですが、一緒に仕事をするなら仲間としての関係と、ビジネスの関係を分けて考える必要があります。
例え仲間同士であっても、当然契約上の約束や、仕事上のルールは守る必要があります。
これができないと、円滑にビジネスが進まなくなるので、最初にルールなどははっきりと決めておきましょう。
相手の立場を尊重しながら一緒に仕事をする
起業仲間同士が仕事をするうえでは、必ずお互いの立場を尊重するようにしましょう。
同じ会社のなかで共同の事業をやっているわけでなければ、お互い別の仕事を抱えているケースが大半です。
そういった事情を配慮しないまま関わってしまうと、必ず歪みが出てきてしまいます。
普段はお互い別々の仕事をしているが、ある仕事だけ一緒になるという間柄であれば、ますますお互いの立場を確認するようにしましょう。
一緒に仕事をする上でのコストを考える
もし、気心の知れた起業仲間を集めて、何か1つ事業を始めたり、プロジェクトを開始したりする場合は、当然ながらコストを考えるようにしましょう。
1つのプロジェクトに関わる人が多ければ多いほど、それだけ人件費や外注費といったコストがかかります。
もしかしたら、自分1人でできることかもしれませんし、単発の仕事であればクラウドソーシングなどを利用した方がいいかもしれません。
また、いくら仲のいい人と言っても、報酬などのお金の話はしっかり取り決めておきましょう。
お金の話が曖昧なままだと、大きなトラブルの原因になります。
仲間だからといって適当に決めるのではなく、報酬などはしっかり話し合ったうえで仕事を始めていきましょう。
「自分のできないことをやってもらう」という自覚を持つ
ビジネスパートナーとは、事業やプロジェクトを進めていくうえで自分のできないことをやってもらう人のことを言います。
自分ではできないことをやってもらえるので、ある意味自分よりも優秀な人と一緒に仕事ができるということです。
そのため、一緒に仕事をしてくれる起業仲間に対しては、労いと感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
「親しき中にも礼儀あり」と言われますが、仲のいい起業仲間同士ほど、つい忘れがちになります。
普段の会話や、連絡のやり取りでも意識するようにしましょう。
【まとめ】人の力をうまく借りて事業を軌道に乗せる
以上、仲のいい起業仲間と一緒に仕事をするメリット・デメリットと、成功するための重要ポイントについてお話しました。
今回は、仲のいい起業仲間と一緒に仕事をする上でのポイントをお話しましたが、ビジネスパートナー作りはこれだけではありません。
何かの縁がきっかけとなり、初めて会った人と仕事をするようなことも当然あります。
また、WorkCollabo(ワークコラボ)やocosba(オコスバ)などのクラウドサービスを使って起業仲間を探すことも可能です。
どのやり方にしろ、ビジネスパートナーとして組む場合は、自分のできないことをやってもらうという労いと感謝の気持ちを持って接しましょう。
ぜひ本記事を参考にして、人の力をうまく借りながら、事業を軌道に乗せるきっかけになれば幸いです。
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